非常用発電機の負荷試験を実施する義務は初年度からあります。
ただし平成30年の改定により、条件を満たせば、6年間は負荷試験を免除されることになりました。
条件とは予防的な保全策を毎年実施することです。
設置してから6年以上経っている非常用発電機においても、同じく条件を満たして入れば、前回の負荷試験より6年間免除されます。
負荷試験免除の条件と、改定の内容について詳しくみていきます。
非常用発電機の負荷試験の義務は初年度から
非常用発電機の負荷試験は、現行の規定(昭和50年10月16日消防庁告示第14号(別表第24及び別記様式第24)で1年に1度、消防設備の総合点検時に行うと定められています。
改正などはなく、これは現行の規定であり、負荷試験は1年に1度の総合点検時に行うことになっています。
製造や設置されてからすぐの非常用発電機についても同じく、初年度から負荷試験の義務があります。
非常用発電機の負荷試験実施周期の見直し
平成30年6月1日に交付された「平成30年消防庁告示第12号」により、非常用発電機の負荷試験は実施周期の見直しが行われました。
その改定とは毎年予防的な保全策を行えば、非常用発電機の負荷試験は6年に1度でいいという内容。つまり製造より6年間は、負荷試験を行わなくてもよいということです。
そして過去に負荷試験を行なっている非常用発電機でも、過去に負荷試験を実施した日から6年間は負荷試験をしなくてもいいと変更されました。
ただし6年間免除されるのは、あくまでも”運転性能の維持に係る予防的な保全策が 講じられている場合”に限ります。
予防的保全策とは不具合を予防する保全策として以下のような確認交換等を行うことをいいます。
・予熱栓、点火栓、冷却水ヒーター、潤滑油プライミングポンプがそれぞれ設けられている場合は1年ごとに確認が必要です。
・潤滑油、冷却水、燃料フィルター、潤滑油フィルター、ファン駆動用Vベルト、冷却水用等のゴムホース、パーツごとに用いられる シール材、始動用の蓄電池等についてはメーカーが指定する推奨交換年内に交換が必要です。
非常用発電機の消防点検報告書
自家発電機の負荷試験は予防的保全策を行なっていれば、6年間免除されるようになりましたが、消防設備の総合点検にて非常用発電機の点検をしなくていいわけではありません。
別記様式第24「非常電源(自家発電設備)点検票」にて、補足として以下のように書かれています。
当該点検項目の最終実施年月を備考欄に記入し、別表第24第2項(6)に規 定する運転性能の維持に係る予防的な保全策が講じられている場合は、当該保全策を講じていることを示す書類を添付すること。
このように消防設備の総合点検において、非常用発電機の予防的保全策を行い、行なったことがわかる書類を消防点検報告書に添付する必要があります。
非常用発電機の負荷試験は予防的保全策を行えば、6年間免除される
非常用発電機は初年度から負荷試験を行う義務があります。
ただし設置後に毎年予防的な保全策を行えば、非常用発電機の負荷試験は6年間免除されます。
予防的保全策とは、非常用電源の確認項目と定期交換部品の交換です。毎年、消防設備の総合点検時に予防的な保全策を行い、報告書に記録しておきましょう。
これにより非常用発電機の負荷試験は、製造から6年目から行うことになります。