非常用自家発電機の負荷試験をする時の負荷計算方法【エクセル自動計算シート付】

非常用発電機の負荷試験を実施するには、負荷の計算が必要です。
その計算方法を説明します。

目次

非常用発電機の出力と電圧に関する情報を入手する

出力と電圧の情報は発電機の外側パネルに貼ってある銘鈑に記載してあります。

非常用発電機の銘鈑

銘鈑の「発電機」側の出力と電圧を確認します。

この発電機の場合出力は80kVA、そして電圧は220Vです

 

オームの法則を使って、負荷計算をする

出力と電圧の情報がわかれば、あとはオームの法則を用いて負荷容量を計算します。

1. 定格出力を計算する

出力80kVAに係数(力率)0.8をかけて定格出力(kW)を出します。
定格出力

この発電機の場合、定格出力は64kWです。

 

2. 定格出力の単位を、kW→Wに変換する

単位:kWを単位:wに変換するには、単位:kWを1000倍します。

この発電機の場合だと、64kWを1000倍すると、64,000wとなります。

3. 最大電流値を計算する

次は定格出力64,000wから、最大電流値を計算します。

電流を計算する式は、電流(I)=電力(W)/電圧(V)です。

ですので、この発電機の場合は、定格出力(電力)64,000w÷(電圧)220v=(電流)290.9Aとなります。

単位変換

この発電機の最大電流値は、290.9Aです。

 

4. 1相あたりの最大電流値を計算する

多くの非常用発電機は3相3線の電源ですので、√3で割り1相あたりの最大電流値を計算します。

計算方法は、⑶の電流値:290.9Aを√3で割ります。

電卓に√がない場合は、÷1.73でも良いです。

1相あたりの最大電流値

この発電機の場合、1相あたりの最大電流、つまり100%負荷率の最大電流値は167.96Aです。

 

5. 負荷率に応じた電流値の計算をする

最後に負荷率におうじた出力と電流値の計算をします。

もし、30%負荷率とした場合、64kWの30%なので、64kW*0.3=19.2kWが30%の負荷出力です。

そして30%負荷率とした場合の電流値は、167.96*0.3=50.4Aとなります。

 

まとめ

非常用発電機の負荷を計算する手順のまとめです。

  1. 非常用発電機の出力(kVA)と電圧(V)の情報を入手。
  2. 出力:kVAを定格出力:kWにする。 → kW=kVA×0.8
  3. 定格出力の単位をkW→Wに変換する。→ W=kW×1000
  4. 最大電流値を計算する。→ A=W÷電圧(V)
  5. 1相辺りの最大電流値を計算する。→ AΦ=A÷√3 もしくはAΦ=A÷1.73
  6. 負荷率に応じた出力と電流を計算する。 → 出力=kW×負荷率 電流=AΦ×負荷率

 

エクセルで作った負荷計算シートを使った負荷計算が簡単

手計算の場合は間違える可能性もあるので、当社はエクセルで作った負荷計算シートを使っています。

スマホの中にエクセルをインストールして、この負荷計算シートをいれておけば、現場でも簡単確実な負荷計算が可能です↓。

負荷率におうじた出力と電流値

ウイルスチェック済みです。

エクセルの黄色欄に出力・電圧を入力すれば、負荷率に応じた出力と必要な電流が出せます。

ぜひ使ってみてください。

 

非常用発電機の負荷試験とは?

非常用発電機の負荷試験の方法は2種類あります

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