目次
はじめに
非常用発電機が確実に動作するためには、定期的なメンテナンスが不可欠です。
とくにバッテリー(蓄電池)は、経年劣化するため、定期的な交換が必要となります。
このページでは、非常用発電機のバッテリー(蓄電池)交換方法と注意点について、詳しく説明します。
バッテリー(蓄電池)交換の必要性
非常用発電機のバッテリー(蓄電池)は、エンジンを始動させるセルモーターを動かすための電力を供給します。
非常用発電機の使用頻度が少なくても、充電放電を繰り返すため、バッテリー(蓄電池)は時間とともに劣化します。
定期的な交換をおこたると、いざという時に非常用発電機が始動しないリスクがあるので、バッテリーは5年ごとに定期交換することが推薦されています。(長寿命型をのぞく)
バッテリー(蓄電池)の納期は、約2~3カ月と長納期ですので、余裕をもって発注をするようにしてください。
交換手順
必要な道具
- 新しいバッテリー
- ソケットレンチやスパナ
- 絶縁ゴム手袋
- DC測定テスター
- 清掃用具(ウェスやブラシなど)
- 保護メガネ(触媒栓付きの時)
触媒栓付きのバッテリーは、触媒栓を取り付ける時に、バッテリー内部の電解液が体に付着するリスクがあります。目に入ると危険なので、保護メガネの着用をしてください。
①古いバッテリーの取り外し
- 非常用発電機が停止していることを確認します
- 運転モードを自動→試験(手動)へ切り替えます
- 制御電源をOFFにします
- 各ブレーカー(制御、入力、出力、ヒーターなど)をOFFにします
制御電源やブレーカーをOFFにせずにバッテリーを交換すると基盤等の故障リスクがあるので、確実にOFFにしてください。
- 絶縁ゴム手袋を着用
バッテリーの電圧はDC12Vか24Vですが、電圧が低くても、絶縁ゴム手袋は必ず着用してください。
- ソケットレンチを使用して、バッテリーのマイナス端子(-)からケーブルを外します。これにより、ショートや火花の発生を防ぎます。
- 次に、プラス端子(+)のケーブルを外します。
- バッテリーを固定しているクランプやブラケットを緩め、古いバッテリーを取り出します。
②新しいバッテリーの取り付け
- 新しいバッテリーを所定の位置に設置します。
- バッテリーを固定するクランプやブラケットを締めます。
- 取り外す時とは逆に、プラス端子(+)からケーブルを接続します。
- 次に、マイナス端子(-)にケーブルを接続します。
- 端子の接続が確実であることを確認します。
- DC測定テスターを使用してバッテリーの電圧を確認します。
- 各ブレーカー(制御、入力、出力、ヒーターなど)をONにします
- 制御電源をONにします
③動作確認
- 各ブレーカー(制御、入力、出力、ヒーターなど)をONにします
- 制御電源をONにします
- DC測定テスターを使用して、充電電圧を確認します
- 発電機を始動し、正常に動作するか確認します
- 確認項目
- セルモーターは回るか?
- 発電電圧は正常か?
- エンジン回転は規定値か?
- 油圧は正常か?
- 水温は適正か?
- 油温は適正か?
- 問題がなければ、バッテリー交換作業は完了です。
- 最後に運転モードを試験(手動)→自動へ切り替えます
FAQ
- 非常用発電機のバッテリー交換をするのに必要な資格はありますか?
非常用発電機と電気の知識・経験がいるので、自家発電設備専門技術者か第二種電気工事士 以上の資格が必要です。
- 古いバッテリーの処理はどうすれば良いですか?
古いバッテリーは適切な方法で廃棄してください。購入元やリサイクル業者、廃棄物処理施設に相談すると良いでしょう。